岡山のものとは異なる

きびだんごと言えば岡山が最も有名ですが、実は北海道にも独特のきびだんごが存在します。
岡山のものとは材料などに違いがありますので、一見すると別物に見えます。
北海道のものは餅粉をベースとして、砂糖や水あめなどを加えて熱を入れて混ぜ、餅の形に平べったくしていくものです。

もともとは北海道の開拓をしていた屯田兵たちが携帯食として食べていたものでした。
その名残で、持ち運びやすいように平べったくしていたのです。
いわゆる駄菓子というジャンルで全国に売れているきびだんごはこの北海道スタイルのもので、有名な岡山のきびだんごとは違うのです。

駄菓子ではきびだんごがオブラートに包まれており、そのまま食べられるようになっていますがこの形も北海道に起源があります。
前述の通り屯田兵が携帯食としたものがきびだんごの発祥で、すぐに食べられるように包み紙を破ったらそのまま口に入れられる工夫をしていました。
この形がそのまま生きていて、現代では包み紙にきびだんごがくっつかないようにオブラートに包んでいるのです。

きびだんごの意味とは?

一般的にきびだんごの意味は、穀物の「きび」を使って作った団子のことです。
しかし、北海道発祥のきびだんごの場合には違う意味合いがあります。
そもそも北海道のきびだんごは餅粉を使っていて、きびは使われていません。

北海道開拓時代にはみんなが協力し合って土地を拓いていくことを重要視し、その思いを込めて「起備団合」と名前を付けたとされています。
この由来が、そのまま今でも「きびだんご」として受け継がれているわけです。

こうした違いもあって、北海道のきびだんごは備蓄できる食べ物としても優れています。
駄菓子屋で売られているものだと、常温に置いていても180日も持つのです。
腹持ちも良く飽きの来ない味もあって、時代を超えて愛される食べ物となっています。

きびだんごから派生した商品とは?

きびだんごを作る材料や技術を使って、新しい味の開発も行われています。
たとえば、生地の中に宇治抹茶を練り込んだ抹茶餅があります。
日本人が好む味であると同時に、抹茶ブームが広がっている海外でもよく売れていて、世界的に日本のお菓子を広げる一助となっています。

また、コンビニでも販売実績がある「匠のくるみもち」も、同じメーカーが作っています。
さらに「黒蜜きなこ餅」は、オブラートを黒蜜味にするという斬新な試みで、北海道産の香ばしいきなこを使ったお菓子です。
他にも、冬の時期に限定して販売される「甘酒餅」などユニークな商品も生まれています。
懐かしい駄菓子からこうした新しい商品が派生していて、これからも新商品の登場が期待されます。