アイヌ言語とは

アイヌ語は北海道内でも滅びゆく言葉とも言われており、明治時代以降の日本語教育によってどんどん衰退していきました。
実際に発言する機会は減ったものの、現在では各地名などとなり北海道内に残っている場所も多数存在しています。

アイヌ語自体には文字が無く、発音を示すためにローマ字やひらがななどを用いています。
この言語を後生へ伝えていくために、アイヌの人々がさまざまな著書や記録を残す活動をしているのが象徴的と言えるでしょう。

アイヌの人々の今

アイヌの人々は現在は「日本人」として生活をしているため、ほかの人とほとんど変わりなく暮らしています。
ただし、かつて存在していたアイヌの文化や歴史が失われてしまわないよう、それらを守る運動や動きも継続的に進められています。

アイヌの人々は過去に厳しい差別を受けていたため、現在では社会的地位の向上や差別の撤廃などに向けた「北海道アイヌ協会」が設立されています。
このようにさまざまな活動をしている一方、現在でも就職時や職場、学校などで差別を受けたことがあるという悲しい事実も存在しているとのことです。

今でも使われているアイヌ言語

私たちが日常で使っているような言葉の中には、アイヌ語とは知らずに使われているものが存在しています。
動物の名前である「ラッコ」「トナカイ」といったものは、実はアイヌ言語として使われていたものです。

また北海道の地名の多くや東北地方の一部にも、アイヌの言葉が元となった地名が存在します。
北海道にある市町村の実に8割が、アイヌ語が元となった地名が名づけられているとのことです。
こういった形にて現代におけるアイヌ言語を残し、失われつつある言語を学んでいくための活動が今も進められています。

アイヌ言語が元になった地名

アイヌの人々の暮らしにとって川が貴重な存在であったため、「川」「沢」を意味している地名が現在も多く存在します。
しかしアイヌ語には文字が無いため、漢字を当てはめて作られた地名も多く、言われなければアイヌ語だとはわからないものも多いのが現状です。

具体的には「茨戸」「十弗」「紋別」「熊石」などといった場所があげられ、そのほかにもこの言語が元になっている地名が多数存在しています。
調べてみると非常に面白いものでもあるため、旅行に出かける前には一度北海道の歴史に触れてみるとよいでしょう。
ただ旅行をするだけではなく、各地方の残された時代背景を肌で感じることが出来るためおすすめです。