日本海に突き出した岬
北海道積丹郡積丹町にある神威岬(かむいみさき)は、日本海にぐっと突き出している岬です。
右手に「水無しの立岩」がニョッキリと立っており、その先端は断崖絶壁となっています。
断崖絶壁の下に広がる深い海の青さは、「シャコタンブルー」と呼ばれます。
神威岬の先端までは、車でおよそ20~30分の距離のドライブコースとなっており、観光客はツーリングなどを楽しんでいます。
両側に壮大な日本海が広がる遊歩道で、約300度の視界で丸みを帯びた水平線を見ることができます。
遊歩道の途中に、「念仏トンネルの見える場所」と書かれた案内があります。
ユニークな名称ですが、このトンネルを開通させるときに崖の両側から堀り進んだため、片方から念仏を唱えて、その念仏を聞きながら貫通させたということです。
ただし、この付近は落石が多いということで立ち入り禁止になっていたりしますから、どうぞ気をつけてお通りください。
また、悪天候の際には、遊歩道が閉鎖されることもあります。
お出かけになるときは、必ず天気予報を確認して日本海が穏やかな日に出かけましょう。
神威岬灯台
神威岬の先端に灯台が見えます。
初めて点灯したのは明治21年の8月で、北海道にある灯台の中では5番目に古い灯台だそうです。
灯台までは、遊歩道で15分ぐらい歩きますが、風の強い日など天候の悪いときには灯台への道が封鎖されることがあります。
訪れる時間によっては閉門しているときもありますから、時間を確認してください。
灯台を含めて絵になる絶景ポイントですから、写真を撮る観光客がたくさん訪れています。
神威岬から神威岩を望むこともできて、晴れた日には素晴らしい眺めです。
神威岩の伝説
神威岬の沖に「神威岩」という岩礁がありますが、源義経とアイヌの娘チャレンカとの悲恋が伝説となっています。
源義経というのは平安時代の武将ですが、「牛若丸(うしわかまる)」という子供の頃に呼ばれていた名前の方がわかりやすいかもしれません。
京都の五条の大橋で武蔵坊弁慶(むさしぼうべんけい)と出会い、家来にしたという昔話が語りつがれています。
アイヌの娘チャレンカは源義経を追って神威岬までやってきますが、義経と会うことができず、そのまま神威岬から身を投げたとされています。
以降、神威岬では、女性を乗せた船が通りかかるとチャレンカの呪いで沈没させられると言われ、長い間「女人禁制の地」となっていたようです。
現在は、女人禁制を解かれており、女性でも通ることができます。
伝説を裏づけるかのような「女人禁制の門」があり、昔のなごりをとどめています。
ただし、ここから先の道についても、風の強い日などの悪天候には通行止めになりますから、天気の確認が必要です。